バスケットボールの歴史って知ってる!?【もうすぐ生誕130年!】

こんにちは、ムッキーコーチです。

私たちが大好きなバスケットボールって、
実はもうすぐ生誕130年ってこと、
皆さん知ってますか?

おそらく、最新の技術や戦術、
あるいは審判やルールの
勉強はされていると思いますが、
意外とバスケットボールの生い立ちって
知らない方も多いと思います。

この機会に、
一緒にバスケットボールの歴史を
辿ってみましょう!

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バスケットボールはカナダ人が発案

1891年12月21日(月)

今から130年前のアメリカ。
マサチューセッツ州スプリングフィールドの
国際YMCAトレーニングスクール
(現・スプリングフィールド・カレッジ)
の体育部教官を務めていたカナダ人、

ジェームズ・ネイスミス博士

によって
「バスケットボール」
が考案されました。

ジェームズ・ネイスミス博士

以前から、
野球やラグビーなどの選手たちは、
冬季の雪の積もったグラウンドでは
練習ができず、
春季リーグまでは体育館などで
単調なトレーニングをしていました。

しかし、
それでは選手たちが退屈でやる気も起きず、
モチベーションも維持できない状態でした。

コーチたちは、
選手が意欲的に取り組めて、
かつ効果的なトレーニングがないかと
模索していたところ、
ジェームズ・ネイスミス博士に
そのトレーニングの考案を委ねたのです。

当時は13のルールでした

ネイスミス博士は、
最初ラグビーボールを使い、
「走れないラグビー」のようなものを
行ってみましたが、
選手たちはいつもの感覚でタックルを行い、
また楕円形のラグビーボールを
追いかける選手はぶつかり合い、
コートで転んでケガ人続出だったそうです。

これでは本末転倒だということで、
さらに様々な試行錯誤をを繰り返しながら、
ついに
「13のルール」
を制定しました。

  1. ボールはサッカーボールを使用し、片手あるいは両手で、どの方向へパスしてもよい。
  2. ボールは片手、あるいは両手でどの方向に叩いてもよい。ただし、こぶしでたたくのは禁止する。
  3. プレーヤーはボールを保持したまま走ることはできない。また、ボールをキャッチした地点からパスしなければならない。かなりのスピードで走っている時にボールをキャッチした場合、もし、ストップしようと努力しているならば一、二歩程度は許されることもある。
  4. ボールは両手で保持しなければならない。両腕やからだを用いてはならない。
  5. どのような方法であれ、相手を小突いたり、捕まえたり、押したり、つまずかせたり、たたいたりすることは許されない。この規則の第1回目の違反は1個のファウルとする。2回違反を犯した場合は次のゴールが成功するまで退場とする。もし、故意に相手を傷つけようとするようなプレーであると見なされた場合は、ゲーム終了後まで退場とする。
  6. 第1.2.3.4条で述べたことに1回違反を犯すごとに、1個のファウルとする。
  7. 両チームのどちらかが連続して3個のファウルを犯すと、その相手チームに1ゴールを与える。(「連続」とはその間に相手チームがひとつもファウルをしないという意味である)
  8. ボールがスローされるか、あるいは、タップされてバスケット内に入ればゴール成功である。もし、ボールがバスケットの縁に止まったり、ショットした時に相手がバスケットを動かしたりした場合もゴール成功と見なされる。
  9. ボールがコート外に出た場合はそののちに最初にボールを保持したプレーヤーなら誰でもスローインできる。そのとき、スローアーは5秒間だけ相手チームから妨害されないでボールを保持することを許される。もし、どちらのチームのボールとなるか判定がつかないときは副審がその位置からコート内にスローインする。スローインの際に5秒間を超えるとボールは相手側に与えられる。また、スローインの際、どちらかのチームがゲームを遅らせようとした場合、副審はそのチームにファウルを宣告する。
  10. 副審はプレーヤーを審判し、ファウルを記録し、連続3回のファウルがあったときは、主審にこれを知らせる。主審は第5条によってプレーヤーを失格させる権限を有する。
  11. 主審はボールをめぐるプレーを判定し、いつボールがインプレーとなるか、インバウンズとなるか、どちら側のチームにボールが与えられるのかなどを決定する。また、競技時間を計る。さらに、ゴール成功を確認し、その回数を記録する。これらに加えて、他のゲームで主審がいつも担っているような任務も務める。
  12. 競技時間は15分ハーフ制とし、5分間のハーフタイムを置く。
  13. ゴール成功の多かったほうが勝者となる。もし、同点の場合は両チームのキャプテンの同意をもとに次のゴールが成功するまでゲームを続ける。

それから様々なルールが追加や変更されて、現在は約250ほどのルールになっていますが、基本的な考え方は、この13のルールを受け継いでいるような気がします。

世界初のバスケットボールの試合に日本人が参加?

この13のルールを正式のルールとして、
初めてバスケットボールのゲームが
行われたのが、

18911221日(月)

バスケットボールが誕生した瞬間です!

この時は9人対9人で行われました。

ちゃんと、
ガードやセンター、ウィングなどの
ポジションもあり、
中にはゴールキーパーやホーム(?)
といった謎のポジションもあったようです。

ちなみに、
この世界で初めての
バスケットボールの試合に、
なんと日本人がいたのです。

その日本人は

「石川源三郎」

という方で、
日本からの留学生で
国際YMCAトレーニングスクールに入学し、
ネイスミスのもとで語学や体育を
学んでいました。

実は、
上記のイラストは
この石川源三郎がスケッチしたものです。

世界初のバスケットボールの試合に
日本人がいたなんて、
なんかチョット嬉しいですね。

なぜ 『バスケット』 ボールなの?

この画期的な競技が行われたあと、
この面白いスポーツに名前を
つけようとなりました。

当初、周りの人たちは
「ネイスミス・ボール」
にしようと提案しましたが、
ネイスミス博士は断りました。

そこで、
ゴールとして桃の籠(かご=バスケット)を
体育館の柱の上に取り付けていたことから、

バスケットボール

と名付けられることになったそうです。

ちなみに、
バスケットボールのことを日本語では、
籠球(ろうきゅう)
といいます。

そして、
その時取り付けた籠の高さが
10フィート(=3.048m)であり、
現在でもその高さは変わっていません。
(現行の競技規則ではリングの高さは3.05m)

また、その時取り付けていた桃の籠の直径が
45センチだったのですが、現在も
リングの直径(内径)は45センチのままです。

最初は、桃の籠をそのまま取り付けていたので、
シュートを決めるたびに柱によじ登ったり、
はしごを使ったりしてボールを取り出し、
またジャンプボールから
ゲームを再開していました。

現在とは違い、
ずいぶんとまったりとしていたようですね。

そのうち、
シュートが入るたびにイチイチよじ登るのは
面倒だということで、
最初から柱に上っておく専用の人が
いたりもしていましたが、
それすら面倒になり、考え出されたのが、

「籠の底を切ってしまえば、
そのままボールが落ちてくるよね」

ってことで、
ついに籠の底をなくしてしまいました。

さらに耐久性など研究や改良を重ねて、
現在のネット製のゴールなったというわけです。

最初は50人対50人? パスだけ?

現在では当たり前のルールやプレーが、
13のルールにはないものもあります。

いくつかご紹介します。

参加人数

世界初のバスケットボールの試合は、
9人対9人で行われましたが、
13のルールには人数の規定がなく、
体育館の大きさやコートの広さで
その都度決めていたそうです。

ある試合では、
50人対50人
という試合もあり、

さすがにこの時は担当教官も
「体育館が壊される~」
みたいなことを言ったそうです(笑)

そしてしばらくの時を経て、
コートの大きさを定め、
人数も「5人 対 5人」になりました。

ドリブル

13のルールでは、
選手はボールは持ったままでは走れず、
パスのみでボールを運ばないと
いけませんでした。

なのに、
ラグビーの感覚でついボールを持ったまま
走り出す選手も多く、
今で言うバイオレーションばかりで、
プレーがよく中断されていました。

ならいっそのこと、

「毬つきみたいに
ボールを床につきながらだったら
自由に移動してもいいことにしよう!」

ってことで生まれたのが
ドリブル
です。

しかし、
「ドリブル」で自由にコートを
移動できるようになったことで、
ボールをパスしない選手が多くなり、
みんなにボールが回らなくなりました。

そこで、
ドリブルを終えた選手は
二度とドリブルをしてはいけないと決めて、
ボール離れを促すルールを決めました。
これが
ダブルドリブル
の元になりました。

そのうちドリブル技術も発達し、
スピードで移動できる選手や、
クロスオーバーやバックターンといった技術、
さらにはレッグスルーやバックビハインド
といった高度な技術が生まれていきました。

バックボード

また、
2階ギャラリーの観客が、
相手チームのシュートを
妨害する行為が問題となり、
その妨害を阻止するために、
ゴールと観客席のあいだに
金網の防御柵を取り付けました。

これが
バックボード
の原型です。

この防御策は、
最初は金網でしたが、
それだけでは完全に妨害を
防ぐことができなかったので、
すぐに木製のボードとなりました。
当時は現在のような四角いものだけではなく、
いろんな形のボードがあったようです。

バックボード

さらに、
木製だと後ろの観客が見えないからという
意見が多かったので、
現在の透明のプラスティック製のボードへ
変わっていきました。

でもそのおかげで、
バックボードに当ててシュートを打つことで、
飛躍的にシュートが入るようになり、
ゲーム性はさらにエキサイトなものに
なっていったのです。

予期せぬ副産物とでもいいましょうか、
なんとも面白いはなしですね!

制限区域と3秒ルール

現代は、
マルチプレーヤーやオールラウンダーが
主流のようですが、
昔はポジションが明確になっていました。

中でもセンタープレーヤーが特に有利で、
あまりにも活躍するシーンが多かったので、
センタープレーヤーに少し制限をかけるため
制限区域
を設けて、
ある時間を超えてその制限区域に
とどまっていてはならないと
ルールを設けました。

これが
3秒ルール
の原型です。
時間はある程度の試みを経て
現在の「3秒」となったようです。

また、
制限区域の面積も時代に応じて
変化していきました。

1940~50年代になると
さらに有能なセンタープレーヤーが台頭し、
センタープレーヤーの活躍のシーンが増え、
1960~70年代のセンター全盛期までに
制限区域を少しずつ広げていきました。

つい最近も台形から長方形へ変わったのですが、
これは逆にポストプレーヤーが
ゴール近くでポジションが
取りやすくなりましたね。

私が思うに
現代のセンタープレーヤーの減少と
質の低下を防ぐための
改定ではないかと推測しています。

FIBA(国際バスケットボール連盟)は、
ジェームス・ネイスミス博士が考案した
「13のルール」
を尊重しながら、
さらによりよい競技にしていこうと
しているのかなと、
期待を込めて勝手に推測しております^^;

メジャースポーツでは珍しい誕生の仕方

多くのメジャーなスポーツは、
1000年以上前もしくは
紀元前からある遊びや風習から
発展していきました。

  • サッカーは紀元前の中国の宮中の遊びから
  • 野球はヨーロッパの球技がアメリカで発展
  • ゴルフはスコットランドの羊飼いの暇つぶしから
                  (すべて諸説あり)

など、たくさんの逸話があります。

バスケットボールは
他のメジャースポーツに比べると
歴史が浅いのですが、
その誕生は、最初から机上で考えられて、
試行錯誤を繰り返し、
人工的に誕生したスポーツなのです。

しかもたった1人で。

これはとても稀なケースです。

そして競技そのものが成熟していくと、
そのニーズに応じてルールも
様々な変化をしていき、
現代のバスケットボールとなりました。

世界で一番競技人口の多いスポーツ

そして現在、
バスケットボールは
世界200以上の国や地域に普及しており、
世界の競技人口は4億5000万人ともいわれ、
世界で一番競技人口の多いスポーツと
なっています。

サッカーが世界で一番普及しているといわれていますが、競技人口は2億5000万人ほどらしいです。
女子の競技人口が圧倒的にバスケットボールの方が多いです。

これからも
バスケットボールが世界で一番の競技で
あり続けていてほしいですね!

来年2021年は、
バスケットボールが誕生して
ちょうど130年になります。

2020年は東京でオリンピックもあります。
NBAでは日本人選手の活躍も話題となり、
BリーグやWリーグ、
また3×3や車いすバスケなども
だいぶ定着してきましたし、
日本でもっとバスケットボールブームが
来てほしいですね。

最後までご覧いただき、
ありがとうございました。

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