チームの指導を始めたころは、技術や戦術の勉強は積極的にして、選手の技術向上やチームの戦績を上げることに注力していましたが、指導していると間違った指導法や練習法をしているんじゃないかと思うようになり、根本的な知識のなさを感じることがありました。
そこで私がいろいろと調べたことをまとめてみました。
トレーニング理論
トレーニングの意味
○トレーニング Training
- 筋力や持久力、柔軟性を向上させること。
- 「可逆性」の性質。
- 行えば強くなり、中止すればその効果は低下していく。
○練習 Practice
- スキル(巧緻性)を高めること。
- 「永久性」の性質。
- 十分に繰り返すことで大脳神経で覚えこんだ場合には、その運動技術は忘れずに永続する。
トレーニングの目的
- 身体の全面的、調和的な発達。
- 各種の運動技能の向上。
- 精神鍛錬の体得。
- 身体的および精神的な健康の保持。
トレーニングの課題
【体力トレーニング】
◎筋力
- 最大筋力
- 動的筋力
- ジャンプ力
◎スピード
- 最大スピード
- 反応スピード
- 持久スピード
◎瞬発力(パワー)
- パワー = 筋力 × スピード
◎持久力
- 無酸素的持久力、有酸素的持久力
- 全身持久力、局部持久力
- 筋持久力
◎柔軟性
- 関節可動域、筋の硬さ
- 静的柔軟性、動的柔軟性
◎体幹
- コーディネーション
◎調整力
- 平衡性(バランス、空間)
- 知覚リズム(音感、テンポ、リズム)
- 操作性(コントロール)
- 一般的調整力、専門的調整力
◎敏捷性
- アジリティ
◎視野(ビジョン)
- 動体視力
- センタリング(一点集中視)
- 空間認識、距離感
- 瞬間視記憶
◎感覚能力
- 知覚(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚…)
- 集中力
トレーニングの条件
○5W 1H
- さまざまな条件で色々な工夫をしトレーニングの効果を高めていく。
① いつ When
- トレーニングをする時間や季節。
- 朝と夕方、オフシーズンと試合期または年間行事との関係を考慮する。
② どこで Where
- トレーニングをする場所。
- 体育館やグラウンドなどの施設や、海・山・岩・街中などの自然屋外など。
- 道具、器具、施設との関係も考慮する。
③ だれが Who
- トレーニングをする人を考慮する。
- 男と女、大人と子供、初心者と熟練者など。
④ なんのために Why
- トレーニングをする目的。
- 競技力向上のため、基礎体力向上のため、健康維持のため。
⑤ どんな内容で What
- トレーニングの内容を質的にとらえる。
- 課題を明確にし、効果的なプログラムを組む。
⑥ どのくらい How
- トレーニングるの内容を量的にとらえる。
- 強度、時間、回数など 。
トレーニングの三大原理
① 過負荷(オーバーロード)の原理
- 過負荷の原理とは、普段の生活で行っている身体活動よりも上回った負荷を加えなければ効果は得られないというものです。
- 逆に言えば無理なく負荷を加えていけば、それに伴って効果が期待できるということになります。 しかし、自分の体にとって負荷が大きすぎると体を痛める可能性があり、トレーニング効果を低下させる原因になってしまいます。
② 可逆性の原理
- 可逆性の原理とは、トレーニングで得られた効果はトレーニング継続中は維持されるが、止めてしまうと徐々に失われていくというものです。
- トレーニング期間が長ければ失われていく速度は遅く、短ければ早いと言われています。
③ 特異性の原理
- 特異性の原理とは、トレーニングはその種類によって効果が変わり、トレーニングをした部位や動作に効果があらわれると言うものです。
- 例えば、スクワットでは下半身の強化は望めますが、上半身のトレーニングにはなりません。
- 筋力は強い筋力を発揮することで強くなり、持久力は持久的運動で強くなります。
- 目的に応じてトレーニングの種類を選ぶ必要があります。
トレーニングの五大原則
① 漸進性の原則
- 漸進性の原則とは、自分の体の発達に合わせてトレーニングの負荷を重くしていきましょうと言うものです。
- これが効率的、そして安全に体力をつける方法になります。
- 負荷は徐々に上げていくことが大切です。
- 過負荷の原理と関係が深いですが、強度が強すぎると体を痛める原因となっていまう恐れがあります。
- 例えば、1キロのダンベルを上げれる人が2キロのダンベルにチャレンジします。最初は思いと感じる2キロのダンベルですが、トレーニング効果が出るにつれ筋力が付き重さを楽に感じれるようになります。このまま続けるより今度は3キロのダンベルにチャレンジした方がより効果的なトレーニングができるというものです。
② 全面性の原則
- 全面性の原則とは、バランスよく全身をトレーニングしましょうと言うものです。
- 体力は様々な要素で構成されているため、可能な限りすべての体力要素を高めるトレーニングを行なっていきましょう。
- 体は一部分だけの筋力だけを強化してしまうと怪我の可能性が出てきてしまいます。
- 例えば腹筋だけを鍛えて、背筋とのバランスが悪いと腰痛の原因になると言われています。ベンチプレスなどで大胸筋のトレーニングだけを行なうと猫背の原因になると言われています。
- バランスのよい体を目指しトレーニングを行ないましょう。
③ 意識性の原則
- 意識性の原則とは、鍛えている部位を意識しながら行いましょうと言うものです。
- また理想の体型などを目標にトレーニングを行なう事を指す場合もあります。
- 使っている筋肉を意識する事や目標となる体系をイメージすると、より効果的なトレーニングが出来ると言われています。
- また、使っている部分を触る、もしくは見る事によりさらに高い効果が期待できるそうです。
- 意識する事により正しく筋肉を使っているかも確認しながら行なえますし、怪我の防止にも繋がってきます。
- トレーニングで高めたい能力や箇所を意識しないで行うと、ほかの能力や箇所を補助に使ってしまいがちになると言われています。(代償動作)
④ 個別性の原則
- 個別性の原則とは、個人に応じたトレーニングを行いましょうと言うものです。
- 年齢・性別・運動歴など個人差を考慮に入れたトレーニングを行なう事で、体に無理な負担をかけずに行なう事ができます。トレーニングを行なっていくと、周りの人と比べたくなる事もありますが、無理のない範囲で行なっていきましょう。
- トレーニングでは専門科のアドバイスや計画を立ててもらう事も大切です。
⑤ 継続、反復性の原則
- 継続・反復性の原則とは、トレーニングの効果を得るためには継続的に行いましょうと言うものです。
- また、技術も同様で、反復し継続しなければその効果は得られないという事を指します。 トレーニングの効果は長期間実施することによって、初めて目に見えるものとなって表れてくるものです。
- いくら優れた施設や指導者、トレーニングプログラムがあってもそれを継続しなければ効果は期待できないでしょう。
- また効果が現れ、体力が向上したからといって運動をやめてしまうと体力は低下してしまいます。 トレーニングは、適度な休養をとりながら、継続的に行うことが大切です。
超回復
- 超回復とは、トレーニング後の休息の間に筋肉の総量がトレーニング前よりも増加することをいいます。
- 超回復に必要な休息時間は一般的に24~48時間くらいです。
- 運動の直後の筋肉は、細胞が破壊されている状態で、それが疲労となり筋力が低下します。
- 完全に疲労が回復しないうちにトレーニングを続けていくことは、壊れた細胞の状態でさらに細胞を破壊する行為をすることになり、場合によってはオーバートレーニングとなり怪我や慢性疲労につながります。
- そこで適切な休養と栄養を取ることによって、壊れた細胞を再生し筋力を回復するのですが、ヒトの体はこのときトレーニング前より少し多めに回復する仕組みになっています。
- これが「超回復」の仕組みです。
- 疲労が取れてしっかりと筋力の細胞が回復した状態でトレーニングを再開し、また休養と栄養補給をとり、新たな超回復を繰り返していくことで継続的に筋力トレーニング効果を図っていきます。
- さらにうまく超回復させるには、食事・睡眠や入浴のタイミングもうまく考えて総合的にトレーニング計画を立てることが重要です。
- とくに栄養面では筋力細胞に必要な栄養素(タンパク質・炭水化物・脂質・ミネラル等)を効果的に摂取することが重要です。
- 「超回復」は筋トレにおいてとても重要なのです。
- 筋トレに重要なのは、あぜらず超回復が起こるのを待って(筋肉痛が治るのを待って)次のトレーニングを行うことを意識しましょう!
まだまだ勉強中です!
また新しい知識を仕入れたらこのページを更新していきます。
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